ジェンダー理論
ytakahashi0505.hatenablog.com 前回記事では、『恋愛社会学』(ナカニシヤ出版)でなされている恋愛の議論は、次の3つの定義に整理できるということを論じてきました。 定義1:恋愛とは「出会い」のこと 定義2:恋愛とは出会いから始まる親密な関係の深…
ポストモダ二ティではなくハイモダニティ ギデンズは『近代とはいかなる時代か』https://amzn.to/3z8C1JG で、人々が言う「ポストモダニティ」というのはモダニティの「変化の兆し」を指しているのであって、モダニティ(近代)と全く違った何かが起こってい…
ボディースタディーズを牽引しているロンドン大学ゴールドスミス校のリサ・ブラックマンによる非物質的に身体を論じるというプロジェクトをまとめた本です。 例のごとく、私がこれ重要だなと思ったところを中心に意訳し、概要をつかむことを目指します。 Imm…
ボディースタディーズを牽引しているロンドン大学ゴールドスミス校のリサ・ブラックマンによる非物質的に身体を論じるというプロジェクトをまとめた本です。 例のごとく、私がこれ重要だなと思ったところを中心に意訳し、概要をつかむことを目指します。 Imm…
ytakahashi0505.hatenablog.com ytakahashi0505.hatenablog.com 上記の続きですが、このエントリー単独でも読めます。 引き続き、読んでいる本はこれです。 「階級闘争かアイポリか」から「再分配か承認か」へ(フレイザー&ホネット) " data-en-clipboard=…
「欲望の欠如モデル」ではなく「欲望機械モデル」へ ドゥルーズ=ガタリが『アンチ・オイディプス』で提示した欲望のモデルは、「欠如によって駆動される欲望」ではなく、欲望機械の作動として欲望を捉えるものである。この点がとくに重要だと思っているので…
2022年日本女性学会大会シンポジウム「ジェンダー化された表象とフェミニズム」(パネリスト:吉良智子、田中東子、前之園和喜, コーディネータ:古久保さくら、荒木菜穂)に対する高橋幸の感想を掲載します。 『学会ニュース』(日本女性学会, The Women’s …
2023年度日本社会学会 大会報告用 要旨です。石原さんとの連携報告で、第一報告の内容も読まないと良く分からん…?というところもあると思うのですが、とりあえず、文責が自分にあるものだけアップします。 「効率のいい恋愛」という新たな経験の諸相 ——マッ…
ポストフェミニズムから見る第二波フェミニズムの理論的限界 —20世紀末から21世紀初頭の日米におけるジェンダー革命および性革命の質的変容— 目次 序章 第一部 ポストフェミニズム 第1章 ポストフェミニズム論とは何か——先行研究の整理 第2章 #WomenAgain…
*こちらのコメント受付期間は終了しました。 今度、発行される『ジェンダー事典』の「フェムテック」項目の草稿です。フェムテック等に関して詳しい方がいらしたら、ぜひコメントをください。 これは私が書いた草稿を色々な方に検討していただくために掲載…
横浜フェミニズム研究会で今日報告させていただいたレジュメをアップします。 バトラーによるレズビアン・ファルスの構想、重要。 どこまで使えて、どこは使えないのかをまとめました。 https://drive.google.com/file/d/1LeER5E2gf-zGCSForM5ZBENgLrcev6Zp/…
なぜ性的モノ化をテーマにした論文集を企画するのか この数年間で、オンライン上のフェミニズムである「第4波フェミニズム」が登場し、存在感を増してきている。第4波フェミニズムのなかの中心的論点の一つとなっていると考えられる「性的モノ化」を主題とし…
1.近代的主体を構成する原理としてのロマンティックラブ かの有名なプロ倫(『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』)にオマージュを捧げつつ、「プロテスタンティズムの倫理とロマンティックラブの精神」を、現在語るべきだという話をしたいと思…
1. 個人の「自由」の拡大が共有された社会的な「善」になっている現代において、恋愛や性といった「個人的なもの」をめぐる議論は、ますます重要になっている。 再帰性が高まる後期近代論者のギデンズ、バウマン、ベックらが親密性や愛についての論考を書…
ytakahashi0505.hatenablog.com ( 一応続きだけど、内容的には上記を読んでなくても分かるようになってます。つまり、あんまりつながってない。) 1. 現代の承認欲求について主題的に扱っている本として、 山竹伸二, 2011, 『「認められたい」の正体:承…
承認欲求について喋った回の内容を書いておきます。 1. とりあえず、承認欲求はマズローらパーソナリティ心理学によって、こう整理されてきました。(下図は『心理学』有斐閣、2013、p.194より引用) 下位の欲求が満たされることで、より上位の欲求が湧い…
合意形成プラットフォームvTaiwanのような仕組みで、現在のフェミニズム的議題をめぐる布置のようなものを描けたら面白いなと思った。 vTaiwanの仕組みの詳しい説明として、こちらがわかりやすい。 https://note.com/a28szk/n/n0c23db878c48 他のSNSと同じよ…
ネオリベとか新自由主義という言葉は、近年グローバリズム批判と政権批判のさいによく聞くワードですが、バズワードと化しているところがあります(なぜバズワードになっているかというと、端的に言ってしまえば、広義の意味での左翼は、マルクス主義が凋落…
*某フェミニズム研究会で拙著の検討会をしていただきました。その時に出した著者解題をアップしておきます。 著者解題 高橋幸『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど:ポストフェミニズムと「女らしさ」の行方』(2020、晃洋書房) 概念整理 ポ…
ジェンダー論の教科書として、こういう論点がまとまっているものがあればいいのに、と思っていたのだけれどなかったので、自分でレジュメつくった。(2019年度にやった「身体文化論」の授業レジュメのいくつかを公開します) 1.売買春をめぐる現在の世界の…
マルクス主義フェミニズムとは、1970年代から80年代に登場してフェミニズム理論を形成した一つの思想潮流で、「性支配」の物質的基盤(下部構造)の分析を重視する立場を特徴とする。物質的基盤(下部構造)分析は、おもに経済学的・政治的制度の分析になる…
1. 新唯物論とかANTとかをざっくり読みつつ思っているのだけれど、考えるべきは、これらを社会学に持ち込むことで、社会学理論はどう更新されるのか?だ。 例えば、主体/社会構造が循環的にお互いを構成しているというギデンズ流(構造化理論)の「主体/…
本ブログ筆者・高橋が、「ポスト」フェミニズムや「ポスト」ヒューマニズムを重視するのは、「ポスト」以下にくっついている「フェミニズム」や「ヒューマニズム」の思想を、新しい時代や社会の状況を踏まえて、練り直す必要があると考えているからです。(…
1. ジェンダー、フェミニズム領域において社会構築主義は意義深いものでした。「男/女」という性別をジェンダー(歴史的文化的に構築されてきた性差)とセックス(生物学的性差)に分け、前者を問題にするという形で、性別の脱自然化( denaturalized )…
ジンメル研の会報に載せてもらう要約文作った。昨年のジンメル研での報告の要約です。 ポストフェミニズムにはあまり関係していないけれど、せっかくなので公開させてください。ジンメル研究会会報は商業媒体雑誌ではないので、たぶん、ウェブ公開しても怒ら…