ポストフェミニズムに関するブログ

ポストフェミニズムに関する基礎文献を紹介するブログ。時々(とくに大学の授業期間中は)ポスフェミに関する話題を書き綴ったり、高橋幸の研究ノート=備忘録になったりもします。『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど :ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』(晃洋書房、2020)、発売中。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【論文紹介】Sex is Power Scaleについて

Sex is Power Scale(SIPS)というのがありまして、これ重要な気がしています。詳しくいうと、「自分の性は力の源泉だ」(Self-sex is Power Scale(S-SIPS))と「女性一般の性は力の源泉だ」(Woman-sex is Power Scale(W-SIPS))の二つに分かれています…

【論文紹介】誰かの性的客体となることを通した女性たちの性的主体化について

Mindy J. Erchull & Miriam Liss, 2014, "The Object of One’s Desire: How Perceived Sexual Empowerment Through Objectification is Related to Sexual Outcomes", Sexuality & Culture 18:773–788 (=「誰かの性的客体となること:性的客体化を通した性…

ジェンダーから見るセカイ系:戦闘少女の登場と少年の受動性(2)

序章 1.セカイ系作品群をいまジェンダーの観点から論じることの必要性 1990年代後半から2000年代に生み出されたセカイ系は、基本的に男性が作る男性のための作品だが、そこでは戦闘能力としても精神的にも弱い男性主人公が繰り返し描かれた。圧倒的な強さを…

ジェンダーから見るセカイ系:戦闘少女の登場と少年の受動性

あるところに「本企画」として提出した文章なのですが、そういえばもう半年くらいたったのに音沙汰がないので、ダメだったのかなーと思っているところです。なので、公開。 セカイ系をジェンダーの観点からきちんと(体系的に)分析してまとめたものはなかっ…

好意的性差別について

性差別(sexism)には、「敵対的性差別」だけでなく「好意的性差別」もあるということを述べ、この二つを組み合わせた「両価性性差別尺度( Ambivalent Sexism Inventory、ASI)」を開発したのは、Peter Glick & Susan T. Fiske(1996)であります。 Peter G…

「ポストフェミニズム」と言うことの認識利得

(*単行本用の原稿として書いていたものですが、どこにも入らなくなってしまったので、ここにアップします。紙に印刷して本の形態で読む用の原稿であり、ブログ用の文体じゃないので、若干読みづらいかもですが、すいません) 「ポスト(post)」とは、基本…

フェミニズム原理の日本社会への浸透

例によって、或る原稿のために書いた文章ですが、全面カットすることにしたので、ここに掲載させてください。どこかで今後使う可能性もあるので、ここ間違っているよ、とか、ここの論理展開が変ではというのがあったら、指摘してもらえるとありがたいです。 …