2021-01-01から1年間の記事一覧
文春オンラインさんに載せていただいたジェンダーギャップ指数に関する解説記事。頑張りました。 bunshun.jp bunshun.jp 沖縄タイムス 2023年12月17日 記事「美の価値観 押し付けないで」 「外見」や「見た目」をめぐるさまざまな生きづらさの事例を記事とし…
横浜フェミニズム研究会で今日報告させていただいたレジュメをアップします。 バトラーによるレズビアン・ファルスの構想、重要。 どこまで使えて、どこは使えないのかをまとめました。 https://drive.google.com/file/d/1LeER5E2gf-zGCSForM5ZBENgLrcev6Zp/…
『現代思想』(2021年9月号)の「ジェンダー平等な恋愛にむけて」という論考で、紙幅と論旨の関係上、私はレヴィナスの女性論を「セクシズムである、以上」としてぶった切ってしまったのですが、実際には、レヴィナスはその女性論に限って言っても重要な思想…
昨日の私の話を、骨格だけ取り出すと次の2点にまとめられます。 (1)ジェンダーニュートラリティを基本とする雇用機会均等法の原則と、ダイバーシティ(ジェンダーによる違い価値創造の源泉として使おうとするもの)は、原則レベルでの齟齬がある。それゆ…
なんかすごい文献群を発見してしまった。女性向け、女性ライター(ついったらーやYoutuber)が書いている日常エッセイの体裁を取った自己啓発と恋愛指南書がまじったかんじの本を、KADOKAWAが大量に出している。 だいたい2017年から始まっていて、2021年現在…
ytakahashi0505.hatenablog.com の続き。恋愛においてはなぜか男性が「手を出す」/女性が「手を出される」というように、男性が主体で女性が客体であるかのように表現されるという社会的事実があるということを見てきました。これがどういう意味論をなして…
1 なぜ「男は『手を出し』、女は『手を出される』」という慣用表現が成りっているのか ジェンダー論関連の授業を大学やっていると、「異性愛的な恋愛や性の場面でよく言われる『手を出す/手を出される』や、『お持ち帰りする/お持ち帰りされる』という主…
女性向け記事サイトが充実しておりますよね。 そこで今日収集した、興味深い話をまとめておこうと思います(メモ代わり)。 telling.asahi.com 「おっさんたちにすれば純愛のつもりかもしれないけど、女の方が立場が下なんだから断れるわけない。偉くなった…
1. ytakahashi0505.hatenablog.com 前回、ノッターさんのご著書を論点整理しながら、欧米のプロテスタントたちが確立した狭義の意味での「ロマンティック・ラブ」が日本において成立したことはなかったということを論じてきました。 今日は、その狭義の意…
アイドル幻想を少女に押し付ける大変に気持ち悪い本:『アイドルになりたい』(2017、中森明夫、ちくまプリマ―新書) 私は基本的に、露骨な批判は書かない人なのですが、これはあまりにも問題なので、指摘しておいた方がいいような気がしました。 問題点は、…
なぜ性的モノ化をテーマにした論文集を企画するのか この数年間で、オンライン上のフェミニズムである「第4波フェミニズム」が登場し、存在感を増してきている。第4波フェミニズムのなかの中心的論点の一つとなっていると考えられる「性的モノ化」を主題とし…
ところで、ナオミ・ウルフ(2012=2014)読まれました? 書名だすと通報される可能性があるので書きませんが。私は今、大学生の性調査を並行してやっているところなので必読文献の一つとして読んだのですが、思わぬ収穫あり。意外にもここで「あぁ新しい唯物…
1. ytakahashi0505.hatenablog.com の続きです。 とりあえず、アメリカの疾病対策予防センター(center for disease control and prevention, CDC)のnational center for health statistics(NCHS)がやっているNational Survey of Family Growth(NSFG)の…
1. 新情報を提供するタイプの文章ではなく、ある程度知られていることに関して「論じる」ようなタイプの文章を世に出すときって、「書き手である私はこのことについてはよく知ってますから、これだけ見てますから、ここまで考えて書いてますから」というの…
2022年11月25日追記 こちらで紹介した論文の最新データが出ています。 https://bedbible.com/sex-frequency-statistics/ こちらがオリジナルデータとなります。ご参照のさいは、こちらをお使いください。 1.概要 性行動の不活発化は、アメリカでも起こって…
1.近代的主体を構成する原理としてのロマンティックラブ かの有名なプロ倫(『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』)にオマージュを捧げつつ、「プロテスタンティズムの倫理とロマンティックラブの精神」を、現在語るべきだという話をしたいと思…
エヴァ解釈の話。 ytakahashi0505.hatenablog.com 私は前回のエントリーで、「人類補完計画は、人類の融合と性的「融合」(セックスのこと)を重ね合わせて表象されているが、主人公のシンジにはその誘惑をふりはらうことが期待されていた。ミサト、リツコ周…
1. 個人の「自由」の拡大が共有された社会的な「善」になっている現代において、恋愛や性といった「個人的なもの」をめぐる議論は、ますます重要になっている。 再帰性が高まる後期近代論者のギデンズ、バウマン、ベックらが親密性や愛についての論考を書…
最近のロックだったらLAMP IN TERRENがいいですって教えてもらっていたのだが、この数日しっかり聴き、それ以降、打たれてけっこう茫然自失している。 松本大が書く詩の特徴は、「キミ」が具体的な像を結ばないところにある。これは確信的にやっていると思う…
人類補完計画とは何だったのかを考えていたら、男性オタク向けコンテンツにおける「純愛と性欲の間の距離のパトス構造」とでも呼ぶべきものがあるのではないかということに思い至りましたが、とりあえず、ずーっと人類補完計画の話で、距離のパトスについて…
ytakahashi0505.hatenablog.com ( 一応続きだけど、内容的には上記を読んでなくても分かるようになってます。つまり、あんまりつながってない。) 1. 現代の承認欲求について主題的に扱っている本として、 山竹伸二, 2011, 『「認められたい」の正体:承…
承認欲求について喋った回の内容を書いておきます。 1. とりあえず、承認欲求はマズローらパーソナリティ心理学によって、こう整理されてきました。(下図は『心理学』有斐閣、2013、p.194より引用) 下位の欲求が満たされることで、より上位の欲求が湧い…