ポストフェミニズムに関するブログ

ポストフェミニズムに関する基礎文献を紹介するブログ。時々(とくに大学の授業期間中は)ポスフェミに関する話題を書き綴ったり、高橋幸の研究ノート=備忘録になったりもします。『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど :ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』(晃洋書房、2020)、発売中。

新しい唯物論

ナオミ・ウルフ(2012=2014)と新しい唯物論フェミニズム

ところで、ナオミ・ウルフ(2012=2014)読まれました? 書名だすと通報される可能性があるので書きませんが。私は今、大学生の性調査を並行してやっているところなので必読文献の一つとして読んだのですが、思わぬ収穫あり。意外にもここで「あぁ新しい唯物…

日本の唯物論フェミニズム(マルクス主義フェミニズム)受容の盲点:ヘテロセクシズム批判という文脈の抜け落ち

マルクス主義フェミニズムとは、1970年代から80年代に登場してフェミニズム理論を形成した一つの思想潮流で、「性支配」の物質的基盤(下部構造)の分析を重視する立場を特徴とする。物質的基盤(下部構造)分析は、おもに経済学的・政治的制度の分析になる…

ANTや新唯物論によって、社会学理論はどう更新されうるのか:その方向性について

1. 新唯物論とかANTとかをざっくり読みつつ思っているのだけれど、考えるべきは、これらを社会学に持ち込むことで、社会学理論はどう更新されるのか?だ。 例えば、主体/社会構造が循環的にお互いを構成しているというギデンズ流(構造化理論)の「主体/…

フェミニストたちの言う新唯物論について2: ブライドッティ『ポストヒューマン』(2013=2019)第1章まとめ

本ブログ筆者・高橋が、「ポスト」フェミニズムや「ポスト」ヒューマニズムを重視するのは、「ポスト」以下にくっついている「フェミニズム」や「ヒューマニズム」の思想を、新しい時代や社会の状況を踏まえて、練り直す必要があると考えているからです。(…