ポストフェミニズムに関するブログ

ポストフェミニズムに関する基礎文献を紹介するブログ。時々(とくに大学の授業期間中は)ポスフェミに関する話題を書き綴ったり、高橋幸の研究ノート=備忘録になったりもします。『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど :ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』(晃洋書房、2020)、発売中。

日々の見たもの、読んだもの、考えたこと

「空洞な身体」に宿る憑依 ――中上健次の身体論――

実は、私は一時期「もう研究者になるのムリかも、正規ポスト得られなさそう、物書きとして生きていこう」と思っていた時期があって、その頃、『群像』の新人評論賞に応募したことがありました。30代中盤、2010年代のこと、応募したのは2018年春のこと。 群像…

虚淵玄脚本作品について

【*若干ウツ注意かも。読むとウツ症状が深刻化するかもしれません、今、精神状態がやばい人は読むのをやめましょう】 1. ウツ的な問いというのがあって、問うてもしかたないと思って問いすらしないような、この世界に対する根底的な疑念、違和感、諦め、…

『PSYCHO-PASS サイコパス』では2021年に新自由主義が終わっていたけど、それってどういうことだったんだっけ

1. テレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』(第1期、2012-2013年)は、西暦2112年開始設定のSFものですが、このセカイでは2020年の世界恐慌をきっかけにして、2021年に新自由主義経済が崩壊しています。(以下、基本的には、公式サイトhttps://psycho-pa…

ニヒリズムの極北ニーチェの魔力

0.人生を変えるものとしてのニーチェ 私は高校生の時にニーチェ思想にぶち当たってしまったために、人生が変わってしまった感がある。いや、そんなことを言えば、それ以外にも色々なあやまちはあったのであって(思想的に「あやしげ」(*)な人にばかり恋…

社会構築主義以降の社会記述法 ストラザーン『部分的つながり』に見るハラウェイの可能性について

今年の夏は海外出張もなく(=研究費が取得できていないということ(泣))、自宅時間がけっこうとれたので、読みたかった本をたくさん読めました。とっても幸せであります。夏休み一生続けばいいのに。と願ったところで続くわけでもないので、自分の中の区切…

一般女子に受けの良い『おっさんずラブ』について

腐女子でない「一般の女の子」の『おっさんずラブ』(以下、さしあたり2018年4月21日‐6月2日に「土曜ナイトドラマ」枠で放映された前7回のドラマを指す)好き率が高い。 今年(2019年)のゼミ中や、講義後に個別的に話に来てくれる女の子たちとの雑談のなか…

NHKがキズナアイを起用したことを批判するフェミニストを批判する女性たちにみる、ポスト・フェミニズム的態度の特徴2つ

いまさらですが、NHKキズナアイ問題に気づきました。遅すぎて、すいません。 このブログはポスト・フェミニズムをテーマとしているので、下記のまとめについて検討します。 togetter.com ポスト・フェミニストの最も簡潔な定義は、フェミニズムに違和感を示…

00年代東浩紀再考(2)「動物化」とは何だったのか

「00年代東浩紀再考(1)」の議論をまとめると、 「大きな物語」がなくなると、救済されないっていうか、なんていうかちょっと悲しい気持ちがする。この悲しい気持ちについてきちんと考えてみようというのが私の主張でした。 「00年代東浩紀再考(2)」では…

00年代東浩紀再考(おまけ)恋愛=実存と思想の連関

おとといからやっている、東浩紀を読み直す作業で発見した、おまけみたいなもの。 思想と恋愛(実存の問題)のつながりについて、けっこう私的には示唆的だったので、共有します。私は昨年、現代の若者の恋愛観とか草食化とか、草食化した後の異性愛関係とし…

00年代東浩紀再考(1)「大きな物語からデータベース消費へ」を受けて2010年代現在考えるべきこと

1.はじめに 私は高校生から学部生時代に小林秀雄、柄谷行人、吉本隆明、江藤淳をけっこうがっつり読んできました。大学院生になった頃、そろそろ時代順でいくと大塚英志、東浩紀あたりかなーとなったのですが、なぜか当時は大塚さんや東さんが読めなかった…

『岡崎京子論:少女マンガ・都市・メディア』(2012、杉本章吾、新曜社)

杉本章吾さん(1979年生まれ)の『岡崎京子論:少女マンガ・都市・メディア』(2012、新曜社)を読みました。 私(1983年生まれ)は岡崎京子を通過せずにきた人なので、きちんと岡崎作品を読んでいないのですが、杉本さんの説明が懇切丁寧で、岡崎京子がとて…