ポストフェミニズムに関するブログ

ポストフェミニズムに関する基礎文献を紹介するブログ。時々(とくに大学の授業期間中は)ポスフェミに関する話題を書き綴ったり、高橋幸の研究ノート=備忘録になったりもします。『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど :ポストフェミニズムと「女らしさ」のゆくえ』(晃洋書房、2020)、『恋愛社会学』(ナカニシヤ出版、2024)発売中。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

NHKがキズナアイを起用したことを批判するフェミニストを批判する女性たちにみる、ポスト・フェミニズム的態度の特徴2つ

いまさらですが、NHKキズナアイ問題に気づきました。遅すぎて、すいません。 このブログはポスト・フェミニズムをテーマとしているので、下記のまとめについて検討します。 togetter.com ポスト・フェミニストの最も簡潔な定義は、フェミニズムに違和感を示…

大塚英志の「少女フェミニズム」

(注記:愛妻家として知られていた江藤淳のDVの話が5.以降で出てきます。無理な人は読まないでください。) 『江藤淳と少女フェミニズム的戦後』(大塚英志、ちくま学芸文庫、[2001]2004) 江藤淳は「少女フェミニズム」的だというのが大塚のこの論考での主…

00年代東浩紀再考(2)「動物化」とは何だったのか

「00年代東浩紀再考(1)」の議論をまとめると、 「大きな物語」がなくなると、救済されないっていうか、なんていうかちょっと悲しい気持ちがする。この悲しい気持ちについてきちんと考えてみようというのが私の主張でした。 「00年代東浩紀再考(2)」では…

00年代東浩紀再考(おまけ)恋愛=実存と思想の連関

おとといからやっている、東浩紀を読み直す作業で発見した、おまけみたいなもの。 思想と恋愛(実存の問題)のつながりについて、けっこう私的には示唆的だったので、共有します。私は昨年、現代の若者の恋愛観とか草食化とか、草食化した後の異性愛関係とし…

00年代東浩紀再考(1)「大きな物語からデータベース消費へ」を受けて2010年代現在考えるべきこと

1.はじめに 私は高校生から学部生時代に小林秀雄、柄谷行人、吉本隆明、江藤淳をけっこうがっつり読んできました。大学院生になった頃、そろそろ時代順でいくと大塚英志、東浩紀あたりかなーとなったのですが、なぜか当時は大塚さんや東さんが読めなかった…

ポストフェミニズムとは――Ana Jordan(2016)の定義――

フェミニズム、アンチ・フェミニズム、ポスト・フェミニズムの違いを概念化してくれている論文を紹介します。 Ana Jordan, 2016, “Conceptualizing Backlash: (UK) Men's Rights Groups, Anti-Feminism, and Postfeminism”, Canadian Journal of Women and t…